2023年2月3日 春が来た
「レッスンをお願いします!」
先週、長期に渡って休んでいた生徒が電話を掛けてきました。
(教室のやりとりは基本的にメールでお願いしているのですが、よほど気が急いていたのかな?)
「合格発表までは未だ日にちがあるでしょう? もう始めるの?」
「はい、大丈夫です!練習もバッチリです!!」 弾きたくて弾きたくてたまらないエネルギーがドドドーッと押し寄せてきました。
趣味のお稽古のレッスンは、進学の受験に差し掛かると数カ月から1年半くらい休止となり、梅や桜の季節に再開することになります。先の生徒のように合格発表も待たずに「終りましたー!いつ行って良いですかー!?」と連絡が来ることも少なくありません。試験場から帰る電車の中からメールを打ってきた生徒もいましたっけ。
受験は一人一人のキャパや意欲の程度などお構いなしに山のような勉強量が強いられるもの。そして集中集中また集中を強いられれば頭も心も身体もキューッと緊張し続けることになってしまいます。その緊張の日々にとうとう終止符を打てたならば一刻も早く発散したくなるのは当然のこと。それが鍵盤楽器と相性が良い生徒ならば「弾きたーい、弾きたーーーい!」となるのでしょう。
そのようなときに「ホイきた!待ってたわヨー!」とこちらが用意するのはバリバリ弾きまくる曲が多いです。(もちろん生徒の性格や気質にも依りますが。) 「さぁやるぞー!弾くぞー!!」という特大なエネルギーが溢れているのを利用するのです。そのようなときはその生徒のレベルよりも少々難易度の高いものを渡しても結構それなりに弾けるようになってしまうことが多いもの。そうすると自信もついてきます。
そうやって一区切りついた頃、(エネルギーを十二分に発散し尽くせた頃あいを見計らって)次の課題として逆のクォリティの曲を渡すと「あぁ、こういうのを弾きたかったンです!」 心の中でクスリと笑って「してやったり・・」 (いつもそう上手くいくワケでもありませんが。)
肺の呼吸と同じように、心も『吐いて・吸って・吐いて・吸って・・』を繰り返しています。そのリズムを見ながらその時に一番相応しいことをするとエネルギー少なく大きな効果を上げることが出来るものです。(ちょっと合気道に似ているかな?)
いよいよ春! 寒くて寒くて縮こまっていたエネルギーが今度は外へ外へ! それに加えてコロナの縛りも緩んできた今、いつもの春以上に「ゥワ~~ッ!」というエネルギーの拡がりを感じるのは私だけではないことと思います。(勿論まだまだ油断は禁物ですが。)
今こそ『弾きたかったけれども尻込みしていた曲』に挑戦するチャンスかもしれません。夢だった曲を現実のモノに!ちょっと覚悟して最初の半ページだけでも譜読みを頑張ってみるのは如何でしょう? 「あ、もしかしたら弾ける・・かもしれない・・!・・」という手応えがあるかもしれません。残りの半ページ、次のページと進んでいけたら・・・ 本当に弾けるかも!?
そのお手伝い、喜んでいたしましょう